ちいきしんぶん掲載記事

突発!顔面神経麻痺

それは前触れもなく突然起こる可能性があります。一般的にはウイルスや免疫力低下が原因とされていますが、中医学では、経絡(よみ:けいらく)が詰まる状態が一因とされています。経絡は気血の通り道です。そこが通行止め、または気血不足で栄養が供給できず、筋肉や筋などの組織が栄養不足となると、運動機能が損なわれてしまいます。詰まりの原因として多いのは、「風寒の邪気(よみ:ふうかん じゃき)」または、免疫力低下の状態を含む「気血不足」です。寒邪(よみ:かんじゃ)は気血を滞らせやすく、風邪(よみ:ふうじゃ)は頭部に症状を起こしやすい性質があります。冬は冷たい風(よみ:かぜ)にあたりやすく、春先は身体の内側で風(よみ:ふう)が生じやすい時期です。

 

 

 

対策としては、①身体を充実させておくこと。それに加えて②冷たい風に当たらないように防寒対策をすることです。身体を充実させて気血の流れをよくしておくことで、邪気の侵入を防ぎ、経絡も詰まりにくくなります。また、身体の内側で生じる風(よみ:ふう)を抑えることもできます。気血の巡りをよくする漢方薬を継続することもおすすめです。

もし、初期症状に気づいたら初動が重要です。顔が動かしにくい、耳の後ろあたりに痛みを感じて顔面神経麻痺かもしれないと思ったら、早めに「耳鼻科」を受診しましょう。そして受診するまでにできることもあります。蒸しタオルなどで温めたり、頭部から鎖骨のあたりまで広い範囲でマッサージをして、なるべく血流を良くするようにしましょう。突然の症状にも適切に対応して、なるべく麻痺を残さないようにしましょう。

 

(2024.1 ちいきしんぶん掲載記事)