考えると胃がキリキリする、電車に乗ろうとするとトイレに行きたくなる、考え過ぎて眠れなくなる、などなど、心理的な負荷は困った症状として体に現れます。症状の出方は本当に人それぞれで、一見関連しないように思える症状もあります。疲れるとでてくる症状であったり、病院の診断で体に異常が見つからなかったりした場合は、実は心理的なことが原因かも知れないと考えてみるのも一手だと思います。
ストレスがかかったときの緊張状態では、「筋」がこわばります。中医学でいう「筋」は筋肉、筋膜、骨についている腱やじん帯です。「筋」がスムーズに動かないと痛みやコリとなりますし、血管の筋肉がこわばると血流が悪くなり、動悸や末端のしびれや痛み、冷えが現われます。消化管の筋肉の動きが悪くなると胃腸症状です。また、考え事や仕事で頭をフル回転させていると、上半身が熱っぽくなり上半身の多汗や目の充血、耳鳴り、頭痛などの頭部症状の他、その熱が経絡を通じて頻尿や排尿痛の症状として現われることもあります。もし原因がストレス性、自律神経の症状であるならば、違った症状でも漢方では治し方は同じ「異病同治(よみ:いびょうどうち)」となります。精神活動をスムーズにして気持ちを楽にし、体の緊張を和らげることで症状を改善していきます。頓服で服用できるお薬もございますので、気になる方はご相談ください。
(2023.10 ちいきしんぶん掲載記事)